美博ノート

「神農図」

茶 岩瀬文庫資料にみる茶のさまざま(西尾市岩瀬文庫)

  • 神農図

 嗜好品の代表格である「茶」。日本の茶祖とされる鎌倉時代の禅僧・栄西が、中国・宋から茶の種をもたらしたと言われる。本展では、薬としての茶の効用を記した本草書、江戸時代の茶道書や名物茶器の図譜、茶人を題材にした滑稽譚など41点で茶をめぐる文化を紹介する。

 緑茶には抗酸化作用や抗菌作用などがあると言われるが、古代中国の薬物書をはじめ、江戸時代の百科事典などにも効能が記されている。その始まりは、中国の伝説上の帝王・神農の嘗草伝説だ。本図は、歴代の名君や賢人らの図像と略伝をまとめた書物「君臣図像」の中の一つ。16世紀ごろに朝鮮で作られ、日本では江戸時代初期に発行された。頭に角を生やした神農は、むちで植物をたたいて汁をなめては、薬草を見極めたという。ある日、毒にあたった神農がさわやかな香りの若葉を食べたところ体調が回復。これが茶だったと伝わる。

(2019年11月26日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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