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「ひとりでに編める ウット毛糸」

サヴィニャック パリにかけたポスターの魔法(三重県立美術館)

(C)Annie Charpentier 2018
©Annie Charpentier 2018

 レイモン・サヴィニャック(1907~2002)が、仏のウット毛糸から依頼されたのは、ブランドのキャッチフレーズを広告ポスターにすること。

 毛糸の女の子が自分で自分を編むユニークな本作。仏語で書かれたキャッチフレーズ「この毛糸はとても編みやすい」は、「ひとりでに編める毛糸」と読み換えることもできる。彼はそれを文字通りに捉えて絵にしたのだ。「作品は当初、足に向かって編む構図だったのですが、上昇感を与えるため、今のような形に。サヴィニャックは他の人が見てどう伝わるかを一番大事にしていました」と学芸員の貴家(さすが)映子さん。

 宣伝する製品を人物と一体化させたり、製品自体を擬人化したり。いずれも製品とともにある幸福感を表現している。

(2018年7月17日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)