「おばあちゃんの原宿」で知られる巣鴨が、このごろ変わっているらしい。巣鴨地蔵通り商店街の縁日や、「とげぬき地蔵尊」の人気は相変わらずだが、最近では女子高生や若者も町を訪れるように。話題の「ニューフェース」とは……?
取材・文/松崎聖子
フリーマーケットに占い、つくだ煮、ウィッグ、「みかん詰め放題」……。巣鴨地蔵通り商店街で毎月「4」のつく日に開かれる「とげぬき地蔵尊縁日」には、約800メートルの道路に200近くの露店が並ぶ。
中山道の玄関口を守る
もともとは江戸時代に中山道の立場(たてば)(休憩所)として栄えた場所。通り入り口にある眞性寺(しんしょうじ)境内には、1714年に建立された「銅造地蔵菩薩坐像(どうづくりじぞうぼさつざぞう)」が鎮座する。江戸へ続く街道入り口6カ所に安置された「江戸六地蔵」の一つで、約300年間、中山道の玄関口を守り続ける。実は有名な高岩寺(こうがんじ)の「とげぬき地蔵尊」は1891年に上野から移転したもので、江戸時代に「巣鴨の地蔵さま」と言えば銅造地蔵菩薩坐像のことをさしたという。
恋が実る「おしり」!?
とはいえ、やはり「とげぬき地蔵尊」のお年寄りからの信仰は厚い。「自分の悪いところを洗うと治る」と言われる「洗い観音」の参拝者の行列は途切れることがない。
一方、違う場所でも不思議な「お参り」の風景に出合った。商店街入り口の小屋にある大きな毛のかたまりをなでる人々。「すがもんのおしり」と称されたこのオブジェは、カモをモチーフにした商店街の公式キャラクラター「すがもん」のおしりが木壁の穴から突き出ているという設定で、すがもんが誕生した2009年に作られた。同商店街振興組合理事の木崎禎一(よしかず)さんによると、女子高生の間で、このフワフワしたおしりをなでると恋が実るといううわさがあるとか。なんと「実際にカップルが誕生し、結婚式にすがもんが呼ばれた」というエピソードも。
おばあちゃんは観音様を洗い、若い女子はおしりをナデナデ……とはなんともユニークな光景。「最近では、商店街に来る人の年齢層も幅広くなりました」と木崎さん。今や巣鴨は、世代を超えて楽しめる街へと変わっているようだ。
とげぬき地蔵尊縁日 |
ファイト餃子
ギョーザの概念を覆す、ふっくらパン生地のような皮にいなりずしのような形。蒸した後に揚げ、外側はカリカリ、中はモチモチした食感に。肉と野菜を絶妙なバランスで配合したあんもジューシー。
10個420円(写真は25個、1050円)。持ち帰りも可。冷凍販売は20個550円からで、地方発送も可。
【DATA】
東京都豊島区西巣鴨3の7の3
(都電荒川線庚申塚駅からすぐ)
火曜休(祝休の場合は翌日休)
TEL03・3917・6261(FAXも同じ)