JR飯田橋駅の西口を出て、外堀にかかる牛込橋を渡る。勤め人や学生が行き交う早稲田通り沿い。「アップルビル」と呼ばれる青森県会館の1階にある。
入り口にかかる県産ヒバ材の看板には、地元の木彫家によって「北彩館」の文字が刻まれている。店内に流れる軽快な津軽三味線のBGMと、レジ奥のモニターに映し出される自然や祭りなどの様子が、北国の活気を伝える。
食品700アイテムと雑貨300アイテムほどを取り扱う。リピーターは、近隣住人や首都圏で暮らす青森出身者ら。店長の長谷川一己さんは、コンビニエンスストアで、店舗経営指導の経験がある。「米から肉や魚、調味料までそろい、晩ご飯が作れるような品ぞろえを意識し、青森県を切り口にしたスーパーマーケットのような店をめざしている」と話す。
国内生産量の7割を占めるニンニクをはじめ、リンゴ、ナガイモなど、生産量日本一を誇る農産物の加工品が主力商品。生のニンニクを発酵熟成させた黒ニンニクは、人気商品ランキング上位の常連だ。顧客の期待が高い青森りんごは、例年9月から翌4月ごろまで店頭に並ぶ。リンゴジュースは、瓶、ペットボトル、缶など種類が豊富で、ずらりと並ぶ色鮮やかなパッケージを前に品定めに悩むほど。
ほっと一息つくなら、レジ横のイートインコーナー「あおもりカフェ」で。いまはカシスジャムをのせたソフトクリームと、リンゴジュースを販売している。地元青森の業者による店頭販売も不定期で企画する。ふだんはお目にかかれない商品や、野菜など旬の生鮮食品が人気を集めている。
(中村和歌菜)
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【1】黒にんにく 田子の黒
(200グラム、1404円)
「ニンニクの町」として知られる田子(たっこ)町産のニンニクを約30日かけて発酵熟成させた黒ニンニク。臭みがほとんどなく、ドライフルーツのように甘くて食べやすいという。
ポリフェノールが豊富に含まれており、1日1、2片を目安に皮をむいて食べる。
【2】黄色い林檎 りんごジュース
(1リットル、370円)
王林やトキなど、黄色いリンゴのみを使った果汁100%のストレートジュース。コクのある深い甘さが特徴。密閉型の装置内で製造する「密閉搾り」によって、リンゴ本来の色、味、香りを最大限に引き出した。
酸化防止剤不使用。
【3】ル・カシス
(720ミリリットル、1350円)
青森市特産「あおもりカシス」を使用した酸味のきいたジュース。炭酸や焼酎で割って飲むのもおすすめ。
あおもりカシスは昨年、地域ならではの農林水産物や食品のブランドを守る「地理的表示保護制度」(GI制度)の第1号に登録された。
【4】しじみみそ汁
(8食入り、1080円)
汽水湖の十三湖(じゅうさんこ)をもつ青森県は、島根県と並ぶシジミの一大生産地。シジミのエキス入り調味みそと、真空パックになった殻付きのシジミがセットになっていて、お湯を注ぐだけで手軽に食べられる。
加圧加熱殺菌済みで、常温で約6カ月保存可能。
【5】せんべい汁
(4食入り、594円)
八戸地方の郷土料理。小麦粉と塩で作ったせんべいを、しょうゆベースのスープに入れて食べる。お好みでゴボウ、ニンジン、キノコなどを加えて調理する。
スープを吸い込んだせんべいは、モチモチ、シコシコとした食感という。
あおもり北彩館
東京都千代田区富士見2丁目3の11、青森県会館1階(飯田橋駅)。
TEL:03・3237・8371
営業時間:午前10時~午後7時半(毎月最終日は6時)
休み:12月31日
URL:http://www.umai-aomori.jp/
あおもり北彩館 店長 長谷川一己さん ![]() 生まれ育った青森の商品を、関東の方にご紹介できるのはありがたいことです。広々とした店ではありませんが、売れ筋や珍しい商品をバランス良く取りそろえながら、部門ごとに品物をこまめに入れ替えています。 |