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のき山動物園 
林隆雄作(愛知県東栄町)

木っ端を飛ばして豪快に

樹齢約180年のスギの木から彫り出した高さ約4メートルの大作=伊ケ崎忍撮影
樹齢約180年のスギの木から彫り出した高さ約4メートルの大作=伊ケ崎忍撮影
樹齢約180年のスギの木から彫り出した高さ約4メートルの大作=伊ケ崎忍撮影 2015年大会で、ツルをダイナミックに削り出すブライアン・ルースさん。チェーンソーのみを使った作品作りにこだわる

 「グワングワン」というチェーンソーのエンジン音を大きく響かせ、木っ端を飛ばして丸太をカービング(彫刻)するチェーンソーアート。 先月下旬、「チェンソーアートクラブ東栄」の会員、佐藤健一さん(40)が、林業センターで実演してくれた。伐採したての木は水分を含み、切り口がしっとり。制作中には木の香りがふわっと広がる。「このエンジン音が好きです」と話す。

 一般的に、カービングは一発勝負。頭の中で図を描き、数種類のチェーンソーを使い分ける。重いもので約10キロもあるが、自在に動かす。高さ1メートル程度の作品なら、1時間で形ができあがる。

 町面積約120平方キロの90%以上が山林・原野の東栄町では、チェーンソーアートが盛んだ。チェーンソーアートの大会を2001年から、毎年開催している。契機は、前年のイベントで招いた本場アメリカのチェーンソーカーバーの実演だった。興味を持った29人の町民有志で始めたクラブは、今では全国から会員が集まるようになった。

 ゾウやゴリラ、キリンなど10種類以上の動物がからみ合う「のき山動物園」は、15年の大会で優勝したカーバーの林隆雄さん(46)が制作。廃校になった小学校を交流施設にした「のき山学校」の入り口に立つ。「子どもが来る所なので、親近感の持てる動物にした」と林さん。チェーンソーアート作品は町の各所で見ることができる。竜やワシなどが山里の景色に溶け込む。

(土田ゆかり)

 日本チェーンソーアート競技大会IN東栄

 きっかけは、2000年に開かれた「木」がテーマのイベント。招かれたブライアン・ルースさんは、アメリカのチェーンソーカーバーの第一人者で、町のチェーンソーアートを盛り上げる活動に深く関わった。当初は数千人だった観客も、今は1万人が全国各地から集まる。18回目を迎える今年は5月26日(土)、27日(日)に東栄ドームなどで開催。ルースさんのショーも見られる。

 《作品へのアクセス》鳳来峡インターから車で30分。


ぶらり発見

ブルーベリースムージー

 のき山学校内にあるCaféのっきぃ(TEL0536・76・1722)では、近くの農園で採れたブルーベリーを使ったスムージー(写真、480円)などが人気。午前10時~午後4時((土)(日)(祝)(休)は9時から)。原則(水)(木)休み。

とうえい温泉・花まつりの湯(TEL77・0268)は、鳳来峡インターから車で15分。源泉掛け流しの湯でくつろげる。野天風呂には「寝湯」、常滑焼と信楽焼の「陶器風呂」などがある。午前10時~午後9時。650円。(祝)を除く(水)休み。

(2018年4月3日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)