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巣鴨信用金庫 中青木支店 
エマニュエル・ムホー作(埼玉県川口市)

壁面に躍る 24色のキューブ

オリーブの木やキンギョソウなどの植物が彩りを添える=篠田英美撮影
オリーブの木やキンギョソウなどの植物が彩りを添える=篠田英美撮影
オリーブの木やキンギョソウなどの植物が彩りを添える=篠田英美撮影 張り出したキューブがリズミカルな印象を与える=篠田英美撮影

 住宅や雑居ビルが立ち並ぶ道路を進むと、視界に「色」が飛び込んできた。赤や黄、青、緑など、白を基調に計24色で構成される建物は、縦横1・5メートルの奥行きの違うキューブを積み重ねたような形で、壁面が凸凹としている。

 建物は、埼玉県川口市の巣鴨信用金庫中青木支店。鉄骨造りの2階建てだ。2014年6月の移転を機にデザインを一新した。手がけたのは東京在住のフランス人建築家、エマニュエル・ムホーさん(47)。建物が立つ交通量の多い交差点の「動き」のある環境を見て、見る場所によって印象が変わる配色をした。正面から眺めると白の面積が多いが、数歩歩いて角度を変えると、キューブ側面の様々な色が出現する。

 エマニュエルさんの色使いの原点は、学生時代に見た東京の街並みだ。「初めて日本に来て駅を出た時に、街の中に看板や建物などの無数の色が浮いて見えて、とても美しいと思いました」。自身が心を動かされたように、色を使って人を笑顔にしたいと、デザインに鮮やかな色を取り入れるようになった。

 巣鴨信金経営企画部の中野エリ子さんは「外観に興味をもって、店内に入ってきてくださるお客様もいます。建物が新しくなり、職員のモチベーションもあがっています」と話す。

(町田あさ美)

 巣鴨信用金庫

 1922年に創業。東京都、埼玉県に41支店を持つ。デザイン店舗は、現在六つ。エマニュエルさんが携わることになったのは、2009年に新設した埼玉県の新座支店の建設中。役員が偶然目にした彼女の作品に感銘を受けたことがきっかけ。新座支店はインテリアなどの一部を、その後の5店舗は設計からエマニュエルさんに依頼した。デザインは、店舗ごとに異なるコンセプトがあり、中青木支店は「24色のメロディー」。

 《アクセス》 JR西川口駅からバスで約10分。


ぶらり発見

蘭州牛肉麺

 西川口駅付近は中国料理店が軒を連ねる。駅西口から徒歩6分のザムザムの泉(TEL048・299・4628)では、本場の味と評判の蘭州牛肉麺(1300円)が食べられる。麺は太さの違う9種類から選ぶ。午前11時~午後10時。(月)~(木)休み。

 巣鴨信金中青木支店から徒歩14分のSKIPシティ 映像ミュージアム(TEL265・2500)では、映像の原理や歴史、テレビや映画の仕組みを体験しながら楽しく学べる。入館料510円。(月)((祝)の場合は翌平日)休み。

(2019年2月12日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)