祖母、母、叔母と、茶道をたしなむ人が家族に多く、抹茶と和菓子に囲まれて育ちました。祖父母の代からお世話になっている川口屋の上生菓子は、「いつも完成度が高いね」などと言って家族内で盛り上がる、コミュニケーションツールです。
甘みに品の良さがあって、抹茶によく合うんですよ。中でもぼくは、黒糖の風味が感じられる大島あんを、道明寺粉を蒸した餅で包んだ組み合わせが一番好き。一度に2、3個は食べてしまうかなぁ。
平安歌人、在原業平の歌から銘を取った「唐衣」など、季節で菓子のモチーフが変わるのも風流ですね。
もうすぐ端午の節句。店は、5月3~5日に限定販売する「ちまき」と「かしわ餅」の準備で大忙しだとか(発送予約終了)。普段の生菓子詰め合わせは、9日再開。「いつ食べるか? 今でしょ!」といかないのも、また楽しみなんですよね。
◆名古屋市中区錦3の13の12(TEL052・971・3389)。
1個300円から。
8個から、郵送かFAXで注文可。
午前9時半~午後5時半。(日)(祝)、第4(土)休み。
はやし・おさむ 東進ハイスクール・現代文講師。
同校のCM「いつやるか? 今でしょ!」のフレーズで人気。