出合いは10年以上前。古本屋さんに行った後、アイスをコーンにのせて家まで歩きながら食べてたなあ。
「いちごみるく」が一番おいしい。というかベースになる「みるく」がおいしいんだよね。卵を使ってないから軽い。純度の高さを感じる味。そこにその場でイチゴを丸ごと潰して混ぜてくれるから、一層おいしく感じるんじゃないかな。
僕は昭和の舌だから、今流行のアイスには味覚がついていかなくて敗北感を覚えることが多いなあ。でもぼぼりでは知らない味があると、いつもいちごみるくとダブルにする。いちごみるくが一番ってわかってても、半分は違う味を食べてみたら、そこで開眼するかもしれないから。
味覚ってプリミティブでしょ。自分がそう感じてしまうことを受け入れざるを得ない感覚。だから短歌にもエッセーにも、意識しなくても食べものがよく出てくるのかも。
◆東京都杉並区西荻南2の23の8(TEL03・3333・9910)。
シングル370円。
いちごみるくは5月初旬までの季節限定メニュー。
午前11時~午後10時。(月)休み。
ほむら・ひろし 歌人。
夏ごろ、エッセー集『蚊がいる』(メディアファクトリー)を刊行予定。