「あらーなんだこれ」っていうくらいおいしい水羊羹です。さっぱりあっさりとしていながら、深い味がするんです。濃いわけじゃなくて、深ーい味。これで伝わらなければ、もう食べてもらうしかないねぇ。
実は和菓子職人を目指す娘が修業中のお店なんです。その世界では有名な、練り切りなどを並べる本格和菓子店です。数ある中で水羊羹が一番なんて言ったら怒られちゃいそうだけど、好きなんだからしょうがない。
「別腹」ってものを理解したのは、1980年代にアメリカにいた頃。レストランや知り合いの家に行くと必ず、夕食の最後に甘いものが出てきた。「うぇ」とか思うんですけど、食べると不思議とおなかが落ち着いたんです。欧米のご飯って、実は最後の甘いものをおいしく食べるために、その前の料理があるんじゃないかな。今僕が勝手に考えたんですけど。
◆千葉県市川市八幡6の13の1(TEL047・334・0948)。
220円(9月初旬までの販売)。
午前9時~午後7時。(水)休み。
きんだいち・ひでほ 日本語学者、杏林大学教授。
近著は「金田一秀穂の心地よい日本語」(KADOKAWA)など。