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金田一秀穂さん
「若柳」の水羊羹(ようかん)

「若柳」の水羊羹(ようかん)
「若柳」の水羊羹(ようかん)
「若柳」の水羊羹(ようかん) 金田一秀穂さん

 「あらーなんだこれ」っていうくらいおいしい水羊羹です。さっぱりあっさりとしていながら、深い味がするんです。濃いわけじゃなくて、深ーい味。これで伝わらなければ、もう食べてもらうしかないねぇ。

 実は和菓子職人を目指す娘が修業中のお店なんです。その世界では有名な、練り切りなどを並べる本格和菓子店です。数ある中で水羊羹が一番なんて言ったら怒られちゃいそうだけど、好きなんだからしょうがない。

 「別腹」ってものを理解したのは、1980年代にアメリカにいた頃。レストランや知り合いの家に行くと必ず、夕食の最後に甘いものが出てきた。「うぇ」とか思うんですけど、食べると不思議とおなかが落ち着いたんです。欧米のご飯って、実は最後の甘いものをおいしく食べるために、その前の料理があるんじゃないかな。今僕が勝手に考えたんですけど。

 

◆千葉県市川市八幡6の13の1(TEL047・334・0948)。
 220円(9月初旬までの販売)。
 午前9時~午後7時。(水)休み。


 きんだいち・ひでほ 日本語学者、杏林大学教授。
 近著は「金田一秀穂の心地よい日本語」(KADOKAWA)など。

(2016年5月26日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)