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中村国生さん
「鍵善良房」の甘露竹

「鍵善良房」の甘露竹
「鍵善良房」の甘露竹
「鍵善良房」の甘露竹 中村国生さん

 小さい頃、祖父の芝翫(しかん)の家によく置いてあって、夏のお稽古の後にこの水ようかんを食べさせてもらいました。ご褒美のイメージが強くて、弟の宗生と宜生(よしお)、いとこの児太郎兄といつも取り合いでしたね。

 竹筒の底に付属のキリで穴を開けて食べること、祖母の許しがないと食べられなかったこともあり、特別感がありました。

 母(三田寛子さん)と同じく僕は甘い物好き。この品は家で取り寄せることも。竹筒のまま吸ってかんで、一気に食べないで口の中でサラサラと滑らかに溶けるのを楽しみます。程よい甘さで何本でも食べられますが、10月から歌舞伎座で行う四代目橋之助襲名に向けて、緩やかにダイエット中なんです。

 橋之助は父が14歳から名乗ってきた名跡。まずは父と比べてもらえる役者になることを目指し、同時襲名する弟たちと手を取り合って頑張ります。

 

◆京都市東山区祇園町北側264(TEL075・561・1818)。
 5本入り1800円から。
 例年4月~9月中旬まで販売。オンラインショップでも購入可(送料別)。


 なかむら・くにお 歌舞伎俳優。
 8月9日~28日、東京・銀座の歌舞伎座「八月納涼歌舞伎」で第二部の「紅翫(べにかん)」、第三部の「土蜘(つちぐも)」に出演。

(2016年7月7日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)