小形羊羹は僕にとって、登山中に歩きながら食べる行動食です。持ち運びしやすく、一度に20~30本は持っていきます。5種類の味がありますが、定番の「夜の梅」が一番好きですね。
2013年5月24日、エベレスト登頂時の最後のアタック直前。手巻きずしの夕食の後、狭いテントで男4人、ひざをつき合わせてお茶会を開いたんです。
お茶の作法は何もわからないんだけども、茶器は人間国宝の漆芸家室瀬和美さんの木製茶わんを使いました。その時の茶菓子がこれ。標高8500メートル、周りは氷河に覆われ、壮大な景色が広がっていました。零下40度の外気の中、リュックに入れていたのですが、凍らず、しっとり。小豆の甘さで疲れた体が温まり、頭もすっきりしました。
2018年、世界で6番目に高い山、ヒマラヤのチョ・オユー(8201メートル)に登る時も、この羊羹を携えていきますよ。
◆全国のとらや80店舗で販売。
1本260円(20本入り5400円などのセットも)。
問い合わせはご注文承りセンター(0120・454121)。インターネット販売も。
みうら・ゆういちろう 1932年、青森市生まれ。プロスキーヤー、登山家。
2013年5月、80歳のとき、3度目の登頂でエベレスト世界最高齢登頂記録を樹立した。