鮮やかな赤色に目が奪われましたね。ディナーでワゴンにずらっと並ぶデザートも魅力的だけど、イチゴが旬の時しか食べられないからメニューにあると必ず注文します。「カルメンの季節が来たな」ってね。
無理に痩せようとせず「ちょい太でいい」と思っている僕にとって、何カ月かに一度の「キャンティ」での食事は「ハレの日」。前菜からデザートまで、好きな物を選んで、食べる量も調整できるのがうれしいんです。
ポートワインやリキュールを使ったソースは、イチゴの果肉感が残っていて、その口当たりがとてもいいんですよ。バニラアイスの甘さとソースの酸味とのバランスもちょうど良く、いつもレギュラーサイズのハーフを頼みます。カルメンで締めると、食事全体の満足感が高まりますね。
10年ほど前から、イラクへ医療支援に行っています。現地では甘党の人が多く、お菓子の屋台をよく見かけます。彼らにとっても、スイーツを食べている時は、少しだけ特別な時間なんじゃないかな。
◆飯倉片町本店 東京都港区麻布台3の1の7の地下1階(TEL03・3583・7546)。
時価(2千円程度、4月末までの季節限定)。
午前11時半~午後10時(ラストオーダー)。
不定休。西麻布店でも。
かまた・みのる 諏訪中央病院名誉院長・作家。
NPO法人「日本イラク医療支援ネットワーク(JIM-NET)」代表。近著に「検査なんか嫌いだ」(集英社)など。