僕、普段は甘いもの食べないんですよ。でもこれだけは別。軟らかくて爽やか。有名な丹波の黒豆ですよ。
この黒豆を教えてくれたのは、師匠の四代目竹本越路太夫です。東京のお客さんが喜ぶからって。もう40年以上前から、東京で公演がある時には、必ず30個くらい大阪から劇場に送っておいて、お得意様に渡しています。
内弟子をしていた頃は、師匠の冷蔵庫に入っていたのを、内緒でそーっと瓶を開けて、二つか三つパッと口へ。またあれがおいしかったな。
ウイスキーや日本酒などお酒にも合うので、お正月にはシャンパンで。シャンパンの泡と黒豆が口の中でころころっと転がって最高です。おつゆがまた宝です。蜂蜜も入っているから、うがいするとのどの調子が良くて、最後まで大事に大事にしているんです。
今年4月で70歳、入門して50年目です。去年くらいからやっと何か見えてきたものがあるんです。舞台がようやく楽しくなってきたんですね。そんな時に六代目の襲名です。今年が本当のスタートですね。
◆心斎橋店 大阪市中央区心斎橋筋1の3の6(TEL06・6271・5044)。
290グラム、1620円。
午前9時~午後5時。原則(日)(祝)休み。
地方発送可。帝塚山店も。
とよたけ・ろだゆう 人形浄瑠璃文楽太夫。
5月13~29日、東京の国立劇場で襲名披露狂言「菅原伝授手習鑑」の「寺子屋の段」を語る。共著に「文楽・六代豊竹呂太夫 五感のかなたへ」(創元社)。