故郷の奄美では知らない人はいないくらい、大人から子どもまでみんな食べますね。中に餡(あん)などは入っていない昔からあるよもぎ餅です。「かしゃ」といわれるクマタケランの葉に包まれていて、葉っぱの香りがすごくいいんです。包むことで香りがよもぎ餅に移るから風味もさらに増すんですね。
奄美では、恋人同士や仲がいいのを「あの二人はかしゃと餅だね」と例えることがあります。それぐらい一緒にいるとか、相性がいいという意味で、「シマ唄」の歌詞にも出てくるんです。
このお店はご家族でやっていて、お母さんもシマ唄が大好きな人です。昔ながらの手作りで作っているから、たくさんは作れないようですが、かしゃ餅と言えばここですね。二つ三つは軽く、四つか五つくらいでも食べられます。変わらない昔懐かしい味です。
甘い物は断然和菓子派。「ふくらかん」という黒糖を使ったシフォンケーキみたいな蒸し菓子も好きですね。黒糖焼酎と一緒に黒砂糖を食べるのもおいしい。かしゃ餅、ふくらかん、黒砂糖、奄美のソウルフードです。
◆鹿児島県奄美市名瀬永田町12の1(TEL0997・52・0382)。
10個入り720円。
午前9時~午後6時。
(日)休み。
購入は、奄美の商品を扱う通販サイト「がじゅMarine」で。
あたり・こうすけ 歌手。
鹿児島県・奄美大島在住。12月10日、東京・有楽町の東京国際フォーラムで、コンサート「フユウンメ」を開催。