フレンチトーストは米・バークリー音大在学中によく作っていました。焦げ付きやすく火加減が難しいんです。
このフレンチトーストは前駐日米国大使のキャロライン・ケネディさんが薦めてくれました。丸一日卵液につけ込んだという厚切りパンはまるでプリンや卵焼きのよう。バターとメープルシロップを少しずつつけながら食べます。甘さの後にバターの香りがふわんとくるのが好み。パンの耳がカットされていて柔らかいから、ナイフでスッと切れる。斬新だけれどエレガント。
近年はクラシック音楽を演奏する機会が増えました。古典的なものに新しいエッセンスを加えるという意味では、このフレンチトーストと僕の音楽には共通性を感じます。楽しいことをやろうとするとボーダーを越えるものだけれど、下品にはしたくない。重心がしっかりしているからこそ、「JOY(喜び)」が生まれてくるんです。
紫綬褒章の伝達式の朝も、妻(女優の神野三鈴さん)と一緒にいただきました。このフレンチトーストは、JOYの固まりのようなものですね。
◆東京都港区虎ノ門2の10の4(TEL03・3505・6074)。
1300円(サービス料別)。数量限定。予約可。テイクアウト商品もある。
午前6時半~10時、午後2時半~4時半(午後は要予約)。
おぞね・まこと ジャズピアニスト。
CD「BEYOND BORDERS」が発売中。9月29日と30日、「小曽根真&エリック・ミヤシロ Jazz meets Classic with 東京都交響楽団」に出演。