実はあんこが大の苦手なんですが、これは別格。子どものころから食べていて、今もお稽古の時に差し入れで頂くと、まず自分の分を確保します。
あんこと大好きな生クリームを最初に混ぜて、ババロアと一緒に口にします。甘さ控えめの生クリームや抹茶の風味が加わると、さっぱりした好みの味わいになるんです。この「和」と「洋」の取り合わせって、意外とないですよね。
異ジャンルの融合で言えば、祖父は歌舞伎座にフルオーケストラを入れて、日本舞踊の会を開いています。舞踊家の母と能楽師の父もよくコラボしますし、僕が今月歌舞伎座で演出をさせて頂いている「源氏物語」にも、オペラや能楽、華道、映像の要素が。全く別のものを違和感なく組み合わせるのは、私たちのお家芸みたいなものです。
この抹茶ババロアもそう。和と洋が見事に融合していますよね。「融合」で一番大事なのは、なじみすぎて境がなくなってしまわないこと。それぞれの素材が主張を失っていないところも、この商品が好きな理由です。
◆東京都新宿区神楽坂1の12(TEL03・3269・2920)。
874円。
テイクアウトは658円。
午前11時~午後7時半((日)(祝)は11時半~5時、いずれもラストオーダー)。
(月)((祝)の場合翌日)休み。
ふじま・かんじゅうろう 日本舞踊の宗家藤間流・八世宗家。
東京・銀座の歌舞伎座「七月大歌舞伎」(~7月29日)の、昼の部「出世太閤記」と夜の部「源氏物語」の演出を担当。