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大江裕さん
「御菓子司 亀十」のどら焼き

「御菓子司 亀十」のどら焼き
「御菓子司 亀十」のどら焼き
「御菓子司 亀十」のどら焼き 大江裕さん

 デビューして東京に来たのが19歳。最初の仕事が北島(三郎)先生の収録で、差し入れとして亀十のどら焼きが控室に置かれていました。

 僕、スイーツはあんまり食べないんです。でもこのときは、興味本位で食べてみました。手作りのパンケーキみたいに焼き目がまだらで、めずらしいなと思って。手に取ったらふわふわしていて、生地は甘くて素朴な感じ。白あんもあるけど、僕は黒あんの方が味が濃くて好きです。やっぱり温かい日本茶とぴったり合う。

 口に入れたとき、この食感、昔食べたことあるなと、懐かしい雰囲気があったんです。中学は合唱部で、女子30人に男子は僕だけ。部活後、野球部の友達10人くらいと待ち合わせをして、夕暮れの中にぽつんと光る駄菓子屋を目指しました。みんなで笑いながらしゃべって、カステラの駄菓子を食べたな。このどら焼きを食べると、その時代をふっと思い出します。

 今年でデビュー10周年を迎えますが、初心を忘れずに頑張ろうという気持ちにさせてくれます。

 

◆東京都台東区雷門2の18の11(TEL03・3841・2210)。
 360円(黒あん・白あん)。
 午前10時~午後7時(状況によって延長あり)。
 不定休(月1回程度)。


 おおえ・ゆたか 演歌歌手。
 1989年、大阪・岸和田市生まれ。歌手・北山たけしとのユニット「北島兄弟」による新曲「ブラザー」が発売中。

(2018年10月12日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)