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オトコの別腹

中村梅丸さん
「一幸庵」のわらび餅

  • 「一幸庵」のわらび餅
  • 中村梅丸さん

 4歳ごろまで一幸庵さんの近所に住んでいました。家族で食後に頂くことがあって、今もこれを食べると、懐かしい気持ちになります。手間をかけた丁寧な味わいで、お餅部分も素材の自然な柔らかさ。他では味わえない食感です。中のこしあんはどこまでも軽やかですが、満足感もちゃんとある。僕があんこ好きを自覚したのは、このお店がきっかけです。たっぷりのきなこも調和しています。

 一般家庭の生まれですが、幼いころから歌舞伎を見るのが好きでした。歌舞伎座では人形焼きの売り場で、窓ガラスに張り付いて実演を見ていました。7歳になると毎週末、今の師匠(中村梅玉)の楽屋に遊びに行かせてもらえるようになりました。両親が手土産を持たせてくれましたが、師匠は甘い物が苦手。それでも一口食べて「ありがとう」と。

 僕は「まるる」の愛称で呼んで頂くことがありますが、昔は顔もまん丸。このわらび餅のような丸い物を食べていると、からかわれました。この度師匠の養子となり、11月の公演からは莟玉(かんぎょく)に名を改めます。公演後はほっと一息、甘い物を口にしたいです。

◆東京都文京区小石川5の3の15(問い合わせは03・5684・6591)。
432円。
夏季と12月31日~1月は販売休止。
午前10時~午後6時。
原則(日)(祝)(休)と第1・3(月)休み。


 なかむら・うめまる 歌舞伎俳優。
 11月1日~25日、東京・銀座の歌舞伎座「吉例顔見世大歌舞伎」で、初代中村莟玉披露狂言「菊畑」(夜の部)に虎蔵役で出演。

(2019年10月24日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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