ピーナツを小麦粉と米粉でくるんで焼き上げ、甘辛いしょうゆだれで味付けしたもの。九州各地に昔からある駄菓子です。製造元はピーナツとあられを水あめで絡めた「肥後太鼓」が全国的に有名な会社ですが、僕は「すずめのたまご」が一番なじみ深いですね。
パッケージは時代と共に変わりましたが、発売されて60年ほど経った今もお菓子の見た目や味は変わっていません。食感はカリッポリッ。手軽に食べられるので、今ではビールのお供にしています。
10年前、阿蘇に別荘を建てたこともあり、月に1度のペースで熊本へ行っています。熊本空港には直売店があるので、東京へ戻る際は10個ほどの小袋が入ったパックを必ず買います。甘いものなんて今ほどなかった学生時代、学校帰りに個人経営の小さなお店でよく買っていた食べきりサイズの小袋です。東京では、なかなか手に入りませんから。
仕事でフランスにいた頃に食べた高級洋菓子もおいしいですが、僕は一つ選ぶとしたら迷わずこれ。慣れ親しんだ味ですし、自分の原点のような気がするんです。
◆本店 熊本市北区和泉町168の18 フードパル熊本内。
30袋入り648円ほか。
東京の銀座熊本館やオンラインショップでも購入可(取扱商品は店舗によって異なる)。
問い合わせは0120・159243。
たやま・あつろう ファッションデザイナー。
1955年熊本県生まれ。91年からパリ・コレに参加。仏ブランド「キャシャレル」をはじめ、国内外のブランドを幅広く手がける。