和菓子には自然と手が伸びます。高校時代、昼休みは学校前の和菓子屋さんでお団子。NHK岡山にいた頃は、自宅の隣に製造所があった名物「大手まんぢゅう」。おまんじゅうをアテにビールを飲むくらい好きです。
最初に薄皮饅頭を食べたのは、NHK在局中の2006年、サッカーW杯ドイツ大会に挑む日本代表を取材するため福島県のJヴィレッジへ行った時。福島出身のNHKの先輩、柳澤秀夫さんに薦められました。以降、取材で福島に通うたびに買っています。取材は基本的に日帰りなので、駅の売店で5個入りを買って帰りの新幹線に飛び乗り、ご飯代わりにぱくぱく。ふっくらと柔らかく、程よい甘さの中に黒糖の香ばしさもある。ちょうどいいサイズなので、お菓子で福島を知ってもらおうと、お土産にも必ずこれを選びます。
農産物の輸入自由化に負けまいと福島ブランドづくりに奮闘する農家や銀行員。僕が監督をした映画にも登場する、東京電力福島第一原発事故で仕事や生活を失いながらも前を向く人々。取材で出会った控えめで温かい福島のみなさんを思わせる、優しい味です。
◆本店は福島県郡山市。県内を中心に、東京・大塚店など27店舗。
8個入り1080円ほか。
オンラインショップでも注文可。
問い合わせは0120・39・0147(午前9時~午後5時)。
ほり・じゅん ジャーナリスト、元NHKアナウンサー。
1977年生まれ。監督を務めたドキュメンタリー映画「わたしは分断を許さない」が東京、神奈川、大阪などで公開中。同名の近著(実業之日本社)も。