小学生の頃、毎週のように父が日曜日に東京・有楽町へ映画に連れて行ってくれて、その帰りに銀座千疋屋でフルーツパフェを食べました。戦後すぐのあの当時、大変なぜいたくをさせてもらっていると子ども心に思っていました。千疋屋さんのフルーツは近所の八百屋さんのものとは違うんだっていう認識はありましたから。
大人になってからもフルーツパフェは好きで、近所のパーラーでフルーツパフェを食べながら取材を受けたことも。口では不良っぽいことを言っていて、ダウン・タウン・ブギウギ・バンドのイメージをぶち壊す感じだったな。女性に人気の食べ物と思っていたけど、恥ずかしくもなんともなかったですね。
メンバーと行ったアメリカでもフルーツパフェを食べましたが、そこで千疋屋さんのパフェは日本人の口に合うように工夫して改良を重ねているのだろうなと改めて感じることができました。クリームの純度とか、フルーツとのバランスもいいんだと。
最近は甘い物を控えています。父と食べたあの頃の印象を大事にしていますから、僕はもうそれで十分かな。ああ、でも来年コロナ禍が明けたら食べに行きたくなっちゃうかもしれないな。
◆銀座本店フルーツパーラー 東京都中央区銀座5丁目5の1(問い合わせは03・3572・0101)。
1760円。
コロナ禍のため、営業時間は電話などで確認を。
12月31日~1月2日休み。
うざき・りゅうどう 音楽家。
1973年にダウン・タウン・ブギウギ・バンドを結成。作曲家として「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」など多くのヒット曲を生む。俳優としても幅広く活動している。