祖父は「勘三郎せんべい」という名の商品ができるほどせんべい好きでしたが、僕も小さい頃から好き。甘い物は苦手で、おやつは食べませんでした。息子たちは甘い物が好きですけどね。長男の勘太郎は完全に和菓子派、次男の長三郎はチョコ命。
差し入れで頂いた「黒胡椒せん」に出合ってからはこればかり食べていて、大袋のものを必ず家にストックしています。ピリッとした黒胡椒がたっぷりとまぶしてあって、ガツンとくる味がビールやハイボールにぴったり。胡椒の残った指をなめながらもまだ飲めます(笑)。薄焼きなのも気に入っているところ。お酒は家で毎晩飲みます。子どもを寝かしつけたあとに妻(前田愛)と一緒に飲みながらこれをつまんで、配信ドラマを見る。夜はそんな時間を過ごしています。
「煎遊」の創業者は、塩せんべいを売りながら、唄や踊りに通じて巡業までした粋人と聞きました。歌舞伎でも「助六」や舞踊「乗合船恵方萬歳」などに粋な通人が登場しますが、この役がまあ難しい。つかみどころのない匂いや雰囲気を現代で演じるためには、一生涯かけて追求していかないと。通人の風情を醸し出せるようになることは、僕の夢です。
◆埼玉県深谷市の本店をはじめ、東京や群馬などに35店舗。
大袋入り(150g)290円、16枚入り350円ほか。
オンラインショップや電話でも注文可(送料別)。
問い合わせは新井製菓(048・571・4911)。
なかむら・かんくろう 歌舞伎俳優。
1981年東京都生まれ。29日まで、東京・銀座の歌舞伎座「三月大歌舞伎」の第一部「猿若江戸の初櫓(はつやぐら)」に猿若役で、中村七之助(出雲の阿国役)と共に出演。