甘いものを食べる時、「私はこれからバカになるんだ」と覚悟を決めます。本来なら何人かで取り分けて食べるようなスイーツにひとりで挑戦する時は、ものすごい気合を入れてから臨みますね。食後、カロリーを消費するため1時間以上かけて徒歩で帰宅することも。当然チャラにはなりませんが。
きな粉が大好きで、普段からきな粉スイーツの情報を追うなかで見つけたのが、このお店。「追いきな粉」という、きな粉を好きなだけ追加できるシステムがあり、それを全部使ったところ、これまで食べてきたきな粉スイーツの中でも群を抜いた「我こそ、きな粉!!!」感が味わえます。甘さや塩気もちょうどよく、正統派の味わいでした。足を運んでいた都内の店舗はこの夏で閉店してしまい、残念です。
私は家族から止められるほど、とにかく甘いもの好き。子どもの頃、祖母が持ってきたおはぎをひとりで全部食べてトイレにしばらくこもったのもいい思い出です。大人になった今は、「ホールケーキを全部食べたい」とか、「ホットケーキにバターとはちみつを誰にも止められることなくかけ続けたい」とか、子どもの頃に抱いていた夢をかなえていっています。
◆京都市内の祇園本店、京都四条店で販売。
1210円。
ホームページできな粉を使った焼き菓子などの通販可。
問い合わせは0120・213151。
あさい・りょう 小説家。
1989年生まれ。岐阜県出身。「何者」(新潮社)で直木賞受賞。「正欲」(同社)で柴田錬三郎賞受賞。