映画「あん」を見たら死ぬほどどら焼きが食べたくなったんです。一緒にカフェラテも飲みたくて、冗談半分でこの二つを検索、アトリエから車で20分くらいの場所に偶然見つけたお店です。週1回ほど通っていて、どら焼きとカフェラテはぼーーっとしながら作品のアイデアを出す時のお供です。
埼玉県は小麦が名産で、このお店でも使われています。どら焼きの生地ってあんこを支える脇役のイメージでしたが、この生地には主張があって、あっさりながらしっかり小麦の香ばしさが香ります。栗はすごく大きくて、あんこの中に栗があるというより、栗の周りにあんこがくっついている感じです。
僕が所属する現代芸術チーム「目」は、僕と増井宏文、荒神明香の3人が中心メンバーです。偶然、このお店も和菓子担当のお兄さん、洋菓子の妹さん、コーヒーの弟さんの3人が中心なんだそう。時々登場する和と洋を掛け合わせたお菓子もカフェラテといただくのですが、絶妙で、見事なチームワークが伝わってきます。僕たちはよくぶつかるので、どうケンカせず、これだけのものを作り上げてお客さんの口の中で発揮できるのだろうと、いちファンとして毎回感動してしまうんです。
◆埼玉県桶川市朝日1の26の10(問い合わせは048・782・9199)。
302円。
オンラインストアでは栗どら焼きや桶川ゆずケーキなど計4種8個が入った「幹栄お菓子」(2300円)も。
みなみがわ・けんじ
1979年生まれ。現代美術活動チーム「目[mé]」のディレクター。今夏、東京の空に実在の人物の顔を浮かべるプロジェクト「まさゆめ」を行った。