10月に小説を出版したのですが、その締め切りで大変な時期に、担当編集者がいろいろ差し入れをしてくれて、その中でチーズケーキの常識を覆すくらいおいしくて印象的だった一品です。ふつうと違った形でふわふわしていて、甘過ぎず、特有の酸っぱさもなくて、生クリームのようにチーズの味が口の中で溶けて、広がります。
自分へのご褒美にするのは、お酒やうまい寿司ですが、甘い物は時々無性に食べたくなります。ショートケーキとレアチーズケーキが好きで、学生時代は友人とケーキ屋に行って、3~4種を分け合って食べて評価するなんてこともしていました。今はそんなに頻繁には食べませんが、特に頭をフル回転で使っていると糖分が不足するので、差し入れで甘い物は大歓迎です。
連載小説を単行本にする際、かなり加筆修正をするのですが、最新作では、要となる医療過誤の裁判について連載中に書き切れなかったこともあって、再取材も必要で、本当に追い詰められました。そういう中で、いわばアンジュは救いの神でした。食べて、よし、今晩も頑張ろうって思ったのを覚えています。
◆桜新町店 東京都世田谷区新町2の35の16の1階(問い合わせは03・3426・3451)。
486円。
午前9時~午後7時、(木)休み。
世田谷に上町本店も。
公式ホームページで購入可(2個~、冷蔵か冷凍、送料別)。
写真はアンジュソース(118円~)添え。
まやま・じん
小説家。「ハゲタカ」シリーズなど著書多数。昨年10月に出版した「レインメーカー」(幻冬舎)では、医療過誤訴訟をめぐる、医療現場の矛盾や不条理を描いている。