僕、基本的に一日一食なんです。仕事が全部終わってからゆっくり食事して、最後にデザートを頂く。でもこのプリンは別。演奏旅行の時に駅で買うと、新幹線の中で食べちゃう。「一刻も早い方がおいしいんじゃないか」って気がして。
新鮮なミルクの香りをすごく感じるんですよね。生クリームとカスタードの層を食べ進むうちに、底のカラメルに到達して深みのある味になる。その変化が面白いんです。
それはショパンの曲にも通じることです。実は彼は20歳ぐらいまでの間に一生の半分の曲を作っている。その多くがあまり知られていませんが、後の完成された曲に比べて繊細で、フレッシュ感があるんです。
5月の演奏会「入魂のショパン」では、2日かけてショパンのピアノ曲を全217曲弾きます。このプリンのように、円熟していく味の変化を楽しんで頂けると思いますよ。
◆大阪市北区堂島浜2の1の2(TEL0120・961006)。
324円。「堂島ロール」が有名。銀座三越などで販売。オンラインショップでも購入可。
よこやま・ゆきお ピアニスト。
「入魂のショパン」(5月3日と4日、東京オペラシティコンサートホール)。