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2003 ©Wangechi Mutu Courtesy of the artist and Susanne Vielmetter Los Angeles Projects |
うっとりと目をつぶる女性。しかし、よく見ると赤と青に彩られたまぶたは殴られた痕のようでもある。
ワンゲチ・ムトゥはケニアのナイロビ出身でニューヨーク在住の作家だ。アフリカにおいて支配され、搾取されてきた女性の姿を表現した独創的なコラージュ作品で一躍名を知られるようになった。
彼女はファッション誌やポルノ雑誌、動物図鑑や医学書などを切り抜き、組み合わせることであえて異形の女性像を作り上げる。
本作ではコラージュに加え、フィルムを印画紙に密着させ、焼き付けることで、焼けただれたような肌を持つ女性を生み出した。異邦人をあらわすタイトルからも、自らが感じている黒人女性への差別や、作り上げられた女性の美しさというものへ違和感を突きつけている。