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渡辺英司「常緑」(2004~2015) プラスチック(人工芝)、作家蔵 |
ありふれた市販の人工芝。よく見ると、芝生が無造作にのびている!
名古屋市を拠点に活動する現代美術家・渡辺英司さんの本作。プラスチック製の芝糸をところどころペンチで引きのばし、天然芝が自然に成長しているかのように見せた。
渡辺さんの作品は既製品に加工を施してそのイメージを強調し、ものの見え方を問い直す。「当たり前の存在になっていた人工芝が、芝の偽物として作られたことを思い出させてくれるんです」と学芸員の副田一穂さん。作家と相談し、ふだんは古美術を入れるケースに作品を展示して、培養されているようにした。
美術館ロビーでは、来館者が人工芝を「成長させる」作業も体験できる。芝をのばすのは意外と難しい。