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「サバずし」

名古屋めしのもと(名古屋市博物館)

 


美博ノート
調理例

 

 祭りなどの行事、成人式、結婚式、正月などの「ハレの日」。日本では「ハレの日」に親戚や近所で集まりごちそうを作って食卓を囲む風習を大切にしてきた。

 例えば、すし。名古屋市近郊では、巻きずし、揚げずし、押しずし、ちらしずし、サバずしなどがあった。中でもサバずしは、現在の名古屋市守山区、春日井市、瀬戸市など尾張北東部で食べられていた。サバを背開きにして甘酢に漬け、すし飯を入れてさらしで縛る。数日かけて作り、すし飯に移ったサバの豊かな風味を味わう。サバを一匹丸ごと使うため食べ応えがあったという。

 そのほか、冠婚葬祭などに食べられた混ぜご飯は、「あじめし」「五目ご飯」「まぜめし」「かきまし」など様々な呼び方があった。

(2016年1月13日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)