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「広小路の屋台」

名古屋めしのもと(名古屋市博物館)

 


美博ノート
1964(昭和39)年7月撮影、名古屋タイムズアーカイブス委員会蔵

 

 名古屋の繁華街はかつて、たくさんの屋台でにぎわっていた。

 第2次大戦前は、植木、風鈴、金魚、鈴虫など様々な物が売られていた。戦後は小資本で出来る飲食店が増え、1955(昭和30)年には1千軒を超える屋台があった。写真は屋台全盛期の広小路で、大人たちが行き交う様子が写されている。名古屋の都市化が進むにつれて屋台は徐々に縮小し、73(昭和48)年には最後の露店が廃業したという。

 当時の屋台の代表的な料理といえば、串カツ、モツやスジ肉を煮込んだどて焼き、おでん、すし、中華そばなど。現在「名古屋めし」として知られるみそカツの前身は、屋台の串カツではないかと言われている。

(2016年1月20日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)