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江戸時代初期 |
茶道具を作る技もまた人から人へ受け継がれてきた。
楽焼は桃山時代に千利休の指導の下、瓦職人だった楽家の初代・長次郎が始めた。ろくろを使わず、手づくねで形を作るため、緩やかなゆがみがあり、手になじむ。
中でも3代・道入(どうにゅう)は利休の孫、宗旦(そうたん)の引き立てで製作に励み、楽家随一の名工と称される。本作は高台に2カ所の切り込みが入った割高台形。釉薬(ゆうやく)を重ね掛けし、流れる様を表現するほか、飲み口に厚みを出したり、垂れた釉薬の裾の一部を白っぽく変化させたりするなど、随所に道入の高い釉技が見られる。
現在の楽家当主は15代・吉左衛門。450年経った今も、京都の地で変わらない製法を守っている。