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「モザイクタイル」

タイルの幾何学 秩序と無限の模様
(INAXライブミュージアム)

 


美博ノート
20世紀 モロッコ 26センチ四方

 

 リズミカルな図形の反復に、無限の美が広がる。

 幾何学模様がタイルに使われ始めたのは、11世紀の中東地域。イスラム教では偶像崇拝が禁止のため、人物や動物を描くかわりに、多角形で構成した図案でモスクの壁面を彩った。

 多くの色を用いようと、カットした単色のタイルをモザイク状に組み合わせた。本作は20世紀のものだがその典型で、ひし形や三角形に八芒星(ぼうせい)が交じる。「こつこつと作業を重ねることは祈りにも似ている」と広報部の尾之内明美さん。その後、ヨーロッパを経て明治時代の日本へと伝わる幾何学模様のタイル。今展では独自に発展する技法やデザインを一望する。

(2016年6月7日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)