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明治時代 日本 約24センチ四方 |
古代エジプトで、ナイル川氾濫(はんらん)後の復旧のための土地測量から発達したという幾何学。その知識を基にした幾何学模様は、タイルの柄としてイスラム圏からヨーロッパ、そして日本へと長い旅をする。
タイルは幕末以降、イギリスから輸入され、洋風建築に使われた。「絵を転写する製造技法も伝わり、明治中期から愛知県瀬戸市で作られました」と主任学芸員の竹多格(たけだいたる)さん。
藍色が日本らしい本作。「敷瓦」はタイルの当時の呼び名だ。完全な左右対称のデザインに見えるが、描かれたパーツの組み合わせ部分を見るとそうでないことがわかる。「幾何学模様に見せて主張を入れる。遊びをまぜた、憎いところですね」