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1878年 |
日本の扇子をモチーフにして作られた、装飾用の絵皿。キクの花の後ろに、浮世絵のような湖水風景が広がっている。黒のエナメルが塗られた扇子の親骨部分には、金箔(きんぱく)で描かれた薩摩藩島津家の家紋が。島津家を選んだ理由については「形が興味深かったのでは」と市原理江子学芸員は推測する。
江戸時代から、伊万里焼など色鮮やかな日本の陶器がヨーロッパに輸出されていた。ガレは、それに影響を受けた陶作品を数多く生み出している。しかし絵柄はどこか西洋風だ。生まれ育ったフランス・ナンシーで培った感性を通して、日本を表現しようとしているのが伝わってくる。