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絹本着色 |
大きな金屛風(びょうぶ)が展示空間を華やかに演出している。名古屋画壇で活躍した、日本画家の朝見香城が描いた。
絵巻や屛風は、原則右から左へ時間が流れる。右隻にはヤマザクラに夏のバラ。スズメを追いかけるように視線を移すと、左隻には赤く色付いたモミジや冬のスイセンが咲いている。大きくM字を描くように鳥の視線をたどると、四季の移ろいを感じられる画面構成になっている。
巨木のもとには、極楽のシンボルといわれるクジャクと国鳥のキジ。どちらもつがいなのは伝統的な花鳥画の特徴で、子孫繁栄を表すためだ。人が一度に見渡せる三曲で一場面を完結させ、視線を引き付けて、うまく誘導してくれる作品だ。