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「油(あぶら)屋 模型」

ジブリの立体建造物展(豊田市美術館)

 


美博ノート
©2001 Studio Ghibli・NDDTM

 

 スタジオジブリのアニメ作品に登場する建造物に焦点を当て、その魅力に迫る本展。宮崎駿監督の「千と千尋の神隠し」で物語の中心舞台となった湯屋「油屋」を再現した本作は、照明と電車音の演出も加わり、まるで作中に迷い込んだようだ。

 油屋を「擬洋風建築」と解説するのは、本展の監修者で建築史家の藤森照信氏。明治時代、西洋建築に刺激された大工が、西洋と日本の様式を混在させて造った建築だ。外観には斜めの格子柄の「なまこ壁」など日本の伝統的な意匠が見られる。

 「当時の大工は、日本の技術でもって、新しいものを造りたいという強い欲望があった。この油屋も、宮崎さんにとって、そういうものだったのでは」と分析する。

(2016年8月16日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)