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「草壁家 模型」

ジブリの立体建造物展(豊田市美術館)

 


美博ノート
©1988 Studio Ghibli

 

 宮崎駿監督作品「となりのトトロ」の主人公、草壁家の姉妹が暮らす家屋を再現した本作。和風家屋の脇に設けられたとんがり屋根の洋間が印象的だ。

 「昭和初期のちょっとおしゃれなサラリーマンの家」と評するのは、本展の監修者で建築史家の藤森照信氏。実際、宮崎監督が幼少期を過ごした自宅や近所の家の記憶が基になっているという。

 よく見ると、模型の壁板や瓦にも古びた生活痕が刻まれている。「生活感や素材の経年変化をエイジングという塗装で表現した」と、スタジオジブリ・イベントプロデューサーの青木貴之氏。細部にこだわったリアルな描写は宮崎作品の魅力の一つだが、模型にもその姿勢は貫かれている。

(2016年8月30日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)