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川崎市岡本太郎美術館蔵 |
人と自然が共生する世界を追い求めた作家・宮沢賢治の思想を出発点にした本展。「大地に生きる人の営み」をテーマに、縄文土器や埴輪(はにわ)、現代作家の陶芸や彫刻作品などを紹介する。
芸術家・岡本太郎(1911~96)は51年に縄文土器の力強さに心を打たれ、その原初的なエネルギーが日本文化の基底にあると説いた。その後、60年代にかけて日本各地を巡り、古くから残る祭りや風俗、土地に根ざした人々の暮らしを写真に収めた。会場には60点が並ぶ。
本作は、57年2月に秋田・男鹿半島で民俗行事「なまはげ」を写した一枚。同年の雑誌「芸術新潮」の連載「芸術風土記」で、なまはげの面の魅力を「無邪気で、おおらかで、神秘的だ。しかも濃い生活の匂いがする」と記している。