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十日町市博物館蔵 |
「なんだ、コレは!」。縄文土器を見て叫んだという岡本太郎。1952年発表の「縄文土器論」で、特に装飾性豊かな縄文中期の土器を、「激しく追いかぶさり重(かさな)り合って、隆起し、下降し、旋廻(せんかい)する隆線紋。これでもかこれでもかと執拗(しつよう)に迫る緊張感」と表現している。
縄文時代は、諸説あるが、約1万5千年前から1万年以上も続いたと考えられている。
燃えさかる炎のような意匠の本作は、新潟県・笹山遺跡から出土した。縄文中期のものとされる。縄文土器は日本各地の遺跡で確認されているが、火焰型は信濃川流域に集中する。
「昔から日本では自然を征服せず、寄り添う暮らしをしてきた。そんな世界観が土器の装飾にも表れているのでは」と同館学芸員の大長(だいちょう)智広さんは話す。