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2014年 |
ふと視線を感じて振り向くと、整然と並んだ真っ白な鳥たちと目が合う。
見る者、番人、見張り人。そんな意味の名前がついたこの作品を手がけたのは、インドネシア出身の陶芸家、アルベルト・ヨナサン。モチーフを幾何学的に繰り返す技法を用いて、自然に潜む霊性や宗教性を表現する。本作では同じ石膏(せっこう)型でつくった36羽の陶製のフクロウたちを、等間隔でダイヤ型に並べた。神聖さを表すため、白い土と白い釉薬(ゆうやく)を使用したという。
暗闇でも目が利くフクロウは、英知や予言の象徴だ。さらに近寄ると、物言わぬ番人たちの額に、第3の目が開いているのが分かる。「心を見透かされるよう。生命の息吹のようなものも感じます」と岐阜県現代陶芸美術館学芸員の岡田潔さん。