|
ヨハネ・パウロ2世美術館蔵 |
色とりどりの花や、みずみずしい果実が彩るのは、マリアとヨセフの結婚の場面。本作はブリューゲル兄弟の弟、ヤン・ブリューゲル1世が手がけた。しかし、ヤンが描いたのはまわりの静物の部分だけで、人物の部分は別の画家が担当した。
当時、共同制作はよくあった。それぞれが得意な分野を担当することで、数々の傑作を生み出したのだ。ヤンは当時から「花のブリューゲル」と呼ばれるほど、花や動物、森林風景の描写に優れており、巨匠ルーベンスとも共作している。
並外れた描写力で、名声を博したヤン。やがて、ネーデルラント(オランダ・ベルギーなどの地方)の宮廷画家にのぼり詰め、後世の画家たちにも影響を与えた。