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「太刀 銘 景則(かげのり)/付 毛抜形(けぬきがた)太刀拵 糸巻(いとまき)太刀拵 尻鞘(しりざや)」

名刀は語る 磨きの文化(佐野美術館)

 


美博ノート
上の刀身は鎌倉時代初期、下三つの拵は江戸時代、いずれも個人蔵

 

 刀工・景則による本作は、仙台の伊達家に伝わった重宝だ。四代伊達藩主の綱村が1718年、孫の宗村へ、お七夜に贈ったと文献に記されている。

 この刀には三つの豪華な拵(こしらえ)(刀装)が付いている。狩りには虎皮が印象的な尻鞘=写真下=、公式な場では毛抜形太刀拵=同上から2番目=など、今でいうドレスコードのように、TPOに合わせて使い分けたという。  前回までに紹介してきた刀身の造形美、刃文の多様性、今回の華麗な拵など、日本刀の魅力は計り知れない。興味のあるポイントを一つ見つけて、そこから広げてみてはどうだろう。

(2017年1月31日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)