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上の刀身は鎌倉時代初期、下三つの拵は江戸時代、いずれも個人蔵 |
刀工・景則による本作は、仙台の伊達家に伝わった重宝だ。四代伊達藩主の綱村が1718年、孫の宗村へ、お七夜に贈ったと文献に記されている。
この刀には三つの豪華な拵(こしらえ)(刀装)が付いている。狩りには虎皮が印象的な尻鞘=写真下=、公式な場では毛抜形太刀拵=同上から2番目=など、今でいうドレスコードのように、TPOに合わせて使い分けたという。 前回までに紹介してきた刀身の造形美、刃文の多様性、今回の華麗な拵など、日本刀の魅力は計り知れない。興味のあるポイントを一つ見つけて、そこから広げてみてはどうだろう。