アメーバ、サボテン、深海生物……。いや、もっとえたいの知れない何物か。吹きガラスで制作された高さ88センチのオブジェだ。
「溶けたガラスは、火の中で踊る生き物のよう。なまめかしく、とどまることがない」。そう話すのは、ガラス作家の佐々木雅浩。転成や臨界といったテーマで制作を続ける。溶解炉の中でガラスが見せる、有機的な表情を捉えたいという。
本作は、1日がかりで冷やした後、表面を部分的に削り、「より妖艶(ようえん)に見えるよう」、プラチナ液で光沢を出した。
作品名には、「生と死を包み込む森」の意を込めた。「ガラスが、僕を通して作品という別のものに姿を変える。いったん消滅して生まれ変わる命のようで、面白い」