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「幼児教育遊具」

岡﨑乾二郎の認識 抽象の力(豊田市立美術館)

「幼児教育遊具」

 造形作家の岡﨑乾二郎さん(61)が他作家の作品を選び、資料を加えて展示、抽象芸術とは何かを問い直す今展。岡﨑さんのギャラリートークに参加した。
 最初の展示室に登場したのは、おもちゃ。4台の机の上にカラフルな小さいチップや、長さ15センチほどの棒、積み木などが並ぶ。ドイツの教育者フレーベルや、シュタイナーらの「幼児教育遊具」だ。
 岡﨑さんはおもちゃを指しながら話す。「丸いチップは、並べると印象派のような点描になり、棒は積み重ねると立体になります。児童教育は芸術を理想的に実感することなんですよ」。建築家のF・L・ライトや画家のカンディンスキー、クレーらも、これらの遊具で遊んだという。

(2017年5月2日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)