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「ハレドール」

幻のナカヤマ 華麗なる洋食器の世界(多治見市美濃焼ミュージアム)

「ハレドール」
写真左からステムコーヒー碗皿、ステムデミタス碗皿、ステム紅茶碗皿

 白い地に輝く金彩や細やかな絵柄、美しいフォルムが特徴の、ナカヤマの洋食器。14年前に本格的な生産を終えたため、「幻のナカヤマ」とも呼ばれる。今展では、貴重な製品と一緒にデザイン画や転写紙を展示し、ナカヤマの魅力を探る。

 中山製陶所の創業者、故・中山保夫は、土や加飾、成形の研究開発に情熱を注いだ。世界で初めて成功させた陶磁器のステムウェア=写真=も、成果の一つだ。

 ステムウェアは、ワイングラスのような脚付きグラス。吹きガラスなら容易だが、陶磁器では難しく、別々に作った器と脚をつなぐのが定例だった。1987年、同社は精巧な型を開発して器と脚の一体化を実現。「継ぎ目がないので見た目が美しく強度も増しました」と美濃焼ミュージアム所長の渡部誠一さんは話す。

(2017年5月23日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)