白い地に輝く金彩や細やかな絵柄、美しいフォルムが特徴の、ナカヤマの洋食器。14年前に本格的な生産を終えたため、「幻のナカヤマ」とも呼ばれる。今展では、貴重な製品と一緒にデザイン画や転写紙を展示し、ナカヤマの魅力を探る。
中山製陶所の創業者、故・中山保夫は、土や加飾、成形の研究開発に情熱を注いだ。世界で初めて成功させた陶磁器のステムウェア=写真=も、成果の一つだ。
ステムウェアは、ワイングラスのような脚付きグラス。吹きガラスなら容易だが、陶磁器では難しく、別々に作った器と脚をつなぐのが定例だった。1987年、同社は精巧な型を開発して器と脚の一体化を実現。「継ぎ目がないので見た目が美しく強度も増しました」と美濃焼ミュージアム所長の渡部誠一さんは話す。