左:1780~90年ごろ 右:1760年ごろ
いずれも神戸ファッション美術館蔵
ファッションは時代を映す鏡だ――。本展では、そんな「装い」に着目しながら、17世紀後半~20世紀初頭のフランス絵画を関連資料とともに紹介する。
ひときわ華やかなのは18世紀のロココ時代。荘厳で宗教的な既存芸術に代わり、華麗で自由奔放なスタイルが花開いた。
当時の典型的な宮廷衣装を間近に見られる。男性貴族が着た「アビ・ア・ラ・フランセーズ」。アビ(上着)、ベスト、キュロットの三つぞろいで、2万時間をかけたという刺繍(ししゅう)に贅(ぜい)の極みを見る。ドレス「ローブ・ア・ラ・フランセーズ」は、前開きのローブに細いウエスト、丸くふくらんだスカートが特徴。巨大な髪形は、ロココ後期のルイ16世時代の流行だ。