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ゲアダ・ヴィーイナ「『ジュルナル・デ・ダム・エ・デ・モード』より、プレート158」

パリジェンヌ展(名古屋ボストン美術館)

1914年 Gift of Philip Hofer,Esq.63.2575 Photo(c)MFA,Boston
1914年 
Gift of Philip Hofer,Esq.63.2575 Photo©MFA,Boston

 パリジェンヌといえばセンスの光るファッション。すそがすぼまっている「ホブルスカート」は、1910年代に流行した。この女性はすそをわざとたくし上げてアレンジしている。

 かつては、女性が1人で外出すると男性に言い寄られるなど、出歩きにくかった。だが、絵の女性は1人でさっそうと歩いている。「この頃になると女性も堂々と街に出たようですね」と名古屋ボストン美術館学芸員の柳澤宏美さん。

 本作はデンマーク出身の女性画家ヴィーイナが制作。パリで発行されたファッション誌に挿絵として寄稿された。洗練された女性を描いた挿絵やポストカードは、パリの女性が流行を知るための大切なツールだった。

 おしゃれの楽しさが女性たちを外へ駆り立てたようだ。

(2017年9月26日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)