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「Such Such Such」

ナンヤローネNo.3 BY80s FOR20s(岐阜県美術館)

「Such Such Such」

 絵筆や指輪、瓶、メガネ――来館者が思い思いに描いた絵が並ぶ。

 用意された様々な物から、作家の作品を鑑賞して「自分が感じたこと」を表す対象を選び、木箱に集める。それらを色鉛筆でスケッチし、自ら壁面に展示し、見比べる企画だ。

 描く物は、作品と鑑賞者をつなぐコネクターの役割を果たす。同じ作品に向き合ったとき、他人はどう感じたのか、その違いを知識に頼ることなく「あんな感じ、こんな感じ」と物を通して知ることができる。

 こうした「アートコミュニケーション」を体系化して始めたのが館長の日比野克彦だ。「描くことで、イメージが定着でき、感じ方の違いを楽しむという新たな鑑賞方法が生まれた」と学芸員の廣江泰孝さん。

(2017年10月10日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)