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岩谷圭介「ふうせん宇宙撮影」

ナンヤローネNo.3 BY80s FOR20s(岐阜県美術館)

2014年映像4’22” (c)Fusen Ucyu Project 岩谷圭介
2014年映像4’22” 
©Fusen Ucyu Project 岩谷圭介

 空高く飛んだ風船が、みるみるうちに漆黒の世界へ行き着いた。上空30キロから、青い地球と太陽の光を撮影した動画の1カットだ。

 撮影者はエンジニアの岩谷圭介。ヘリウムガスを封入した直径約2メートルの風船に、小型の一眼レフカメラを4本のひもで取り付けて空に飛ばし、撮影。科学技術を使ったアート作品だ。2012年に、風船による宇宙撮影を初めて成功させた。「きれいな地球の青から宇宙の黒へと、グラデーションが続いていた」と岩谷さんは感動を語る。

 アートとは、芸術家による作品だけではなさそうだ。学芸員の廣江泰孝さんは「アートは、これからも未知なる世界への感動と発見を伝える役目を担っていくはずです」。

(2017年10月17日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)