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マイセン「花飾カップ&ソーサー」

お茶の時間(岐阜県現代陶芸美術館)

マイセン「花飾カップ&ソーサー」
19世紀後半

 「お茶の時間にまつわる器」がテーマの今展。19世紀以降の西欧のティーセットやコーヒーセットのほか、日本の志野茶わんなどで陶磁文化をたどる。

 紅茶やコーヒーは17世紀ごろまでに西欧に伝来した。1709年、ドイツで、西欧初の磁器の製造に成功し、翌年マイセン窯が誕生。「磁器は陶器に比べて白く、薄くて丈夫。初期は中国の器を模倣して、取っ手のないカップが作られました」と話すのは、同館学芸員の林いづみさん。

 その後、使い勝手を考え、取っ手が付いた。表面には緻密(ちみつ)な花の装飾が施され、虫の絵もあった。虫は技術が未熟だった頃の名残。不純物によってできた黒い点を隠す柄だったが、やがてデザインの一つとなった。

(2018年3月6日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)